犬の歯磨きって必要?嫌がられないやり方を紹介

犬の歯磨き





犬の歯磨きって必要?嫌がられないやり方を紹介

犬の歯磨きって必要?嫌がられないやり方を紹介

「犬の歯磨きって本当に必要?」「嫌がって全然できない…」そんな悩みを持つ飼い主さんは少なくありません。

しかし、犬も人間と同じように、歯の健康を保つために定期的なケアが必要です。放っておくと歯周病や口臭だけでなく、内臓疾患にもつながる可能性があるため注意が必要です。

この記事では、犬の歯磨きの必要性から、嫌がられにくい磨き方、慣れさせるステップ、おすすめの歯磨きグッズまでをわかりやすく解説します。


目次

  1. 犬に歯磨きが必要な理由
  2. 歯磨きをしないとどうなる?
  3. 嫌がられない歯磨きのやり方
  4. 歯磨きに慣れさせるステップ
  5. おすすめの歯磨きグッズ
  6. よくある質問(Q&A)

犬に歯磨きが必要な理由

犬は人間と違い、虫歯にはなりにくいですが、歯周病には非常になりやすい生き物です。

犬の口の中には多くの細菌が存在し、食べかすなどが歯に残ることでプラーク(歯垢)が形成されます。これが石灰化すると歯石となり、歯茎に炎症を起こし歯周病に発展していきます。

3歳以上の犬の80%が歯周病予備軍またはすでに発症していると言われており、これは歯磨き不足が大きな原因です。


歯磨きをしないとどうなる?

犬の歯磨きを怠ることで起こる問題は、単なる口臭や見た目の悪さだけではありません。放置すると歯周病をはじめ、全身の健康に深刻な悪影響を及ぼすことがあります。

1. ひどい口臭の原因になる

犬の口臭は「歳だから仕方ない」と思われがちですが、実は歯垢や歯石に含まれる細菌が繁殖して悪臭を放っているケースがほとんどです。

歯の表面についた食べかすが細菌の温床となり、酸化・分解されることで腐敗臭が発生します。これは単に「くさい」だけでなく、病気の前兆でもあります。

口をなめた手で飼い主に触れることで菌が人にも移る可能性があるため、衛生面からも放置はNGです。

2. 歯茎が腫れて出血する

歯磨きをしないと歯と歯茎の間に歯垢がたまり、やがて炎症を起こします。初期は「歯肉炎」という状態で、歯茎が赤く腫れたり、軽く触るだけで出血することもあります。

この状態が長く続くと、慢性的な炎症により痛み・不快感を伴い、食欲が低下するケースも。固いフードを噛めなくなったり、片側の歯でしか咀嚼しない仕草が見られたら要注意です。

3. 歯がグラグラして抜けてしまう

炎症が歯の根元にまで達すると、歯を支える歯槽骨(あごの骨)が破壊され、歯がグラグラに。やがて自然に脱落してしまいます。

一度溶けてしまった骨は自然には再生せず、抜歯や外科手術が必要になることも。特に小型犬(チワワ・トイプードルなど)は骨が細く、歯周病による脱歯リスクが高いです。

4. 食事ができなくなり、栄養失調に

歯が抜けることでフードが噛めなくなり、丸飲みしたり、食事自体を拒否するようになる犬もいます

結果として栄養バランスが崩れたり、体重が急激に減少することもあり、シニア犬や持病を持つ犬にとっては命に関わる問題です。

5. 全身性の病気につながるリスク

歯周病菌は歯茎の血管から体内に入り、心臓・肝臓・腎臓などに炎症や感染を引き起こす可能性があります。

  • 心内膜炎:心臓の内側に菌が付着し、心機能に悪影響
  • 慢性腎不全:腎臓の濾過機能が低下し、尿毒症や老廃物蓄積の原因に
  • 肝機能障害:解毒作用のある肝臓に炎症が起こり、全身の代謝に悪影響

特にシニア犬では歯周病が寿命に関わる深刻な疾患の引き金になるケースも少なくありません。

6. 医療費・通院の負担が増える

重度の歯石や歯周病になると、全身麻酔でのスケーリング(歯石除去)が必要になります。

この処置には1〜5万円以上の費用がかかるほか、高齢犬や持病のある犬には麻酔のリスクも伴います。歯磨きを怠った結果、時間・お金・犬の負担すべてが増えてしまうのです。

7. 歯磨き嫌いがさらに悪化する

すでに痛みや不快感がある状態で無理に歯磨きをしようとすると、犬に「歯磨き=痛いもの」という印象を与えてしまいます

これが原因で、今後のケアがより難しくなってしまう悪循環に陥る可能性もあります。


このように、歯磨きの習慣がないまま放置すると、見た目や口臭だけでなく、命に関わるリスクにもつながります。

愛犬の健康寿命を延ばすためにも、今からできるケアを少しずつ取り入れていきましょう。


嫌がられない歯磨きのやり方

「うちの子は歯磨きを嫌がって全然できない…」という方も多いですが、やり方や道具を工夫すれば、少しずつ慣れていく子がほとんどです。

ポイント1:無理にやらない

いきなり口を開けようとせず、口元を触る練習から始めましょう。

ポイント2:短時間で終わらせる

最初は10秒でもOK!「楽しい」「終わるのが早い」と思ってもらうのが大事です。

ポイント3:犬用歯磨きペーストを活用

味付きのペースト(チキン・ミルク・ピーナッツなど)を使えば、「なめる=楽しい」というポジティブな経験になります。

ポイント4:ごほうびで成功体験を

磨いたあとは必ず褒める or おやつをあげることで「歯磨き=いいこと」に変換していきましょう。


歯磨きに慣れさせるステップ

無理なく段階的に慣らすために、以下のステップで進めるのがおすすめです。

ステップ1:口まわりに触れる

いきなり歯に触るのではなく、頬・口角を撫でたり軽くつまんで、触られることに慣れさせます。

ステップ2:歯を見せる練習

唇を軽く持ち上げて歯を見る練習。ここでも毎回ごほうびを忘れずに。

ステップ3:指で歯をなでてみる

ガーゼを巻いた指や専用の歯磨きシートで前歯を優しく拭いていきます。

ステップ4:歯ブラシに慣れさせる

犬用歯ブラシを見せて匂いを嗅がせ、少しずつ口に触れさせていきましょう。

ステップ5:短時間でも実際に磨いてみる

前歯から奥歯へ、徐々に範囲を広げていきます。無理せず、嫌がったら即中断が鉄則!


おすすめの歯磨きグッズ

初心者にも使いやすく、犬に優しい人気の歯磨きグッズをいくつかご紹介します。

1. 指サックタイプの歯ブラシ

  • 柔らかいシリコン素材で歯茎に優しい
  • 小型犬や初めての歯磨きにおすすめ

2. 歯磨きシート(ガーゼタイプ)

  • 水やペーストなしでも使用可能
  • 手軽に拭き取るだけなので忙しい飼い主さんにも◎

3. 犬用歯磨きペースト

  • 人間用と違い、飲み込んでも安心な成分
  • 嗜好性が高く、犬が喜んでなめる

4. 歯ブラシ(ダブルヘッド・360度ヘッド)

  • 奥歯まで届きやすく、効率よく磨ける
  • 中型〜大型犬向け

5. デンタルガムや水に混ぜるケア用品

  • 毎日の歯磨きが難しい子には補助的に
  • 歯磨きの効果をサポートしてくれる

おすすめの犬用歯磨きグッズ5選|比較表

商品名 タイプ 特徴 価格帯 おすすめポイント
Vet’s Best
フィンガーブラシ
指サック型ブラシ 柔らかいシリコン素材で初心者向け 約1,000〜1,500円 小型犬や歯ブラシが苦手な子に最適
ライオン ペットキッス
歯みがきシート
シート(拭き取りタイプ) ミント配合・使い捨てタイプで衛生的 約600〜900円 忙しい日や旅行先でも手軽に使える
オーラティーン
デンタルジェル
歯磨きジェル 無香料・無着色・安心成分 約2,000〜2,500円 歯ブラシが苦手な子もなめるだけでOK
ドクターデンタルワン
360°歯ブラシ
回転式歯ブラシ 360°ブラシで奥歯までしっかり届く 約1,500〜2,000円 効率よく磨きたい中型〜大型犬に人気
グリニーズ
デンタルガム
おやつ・補助ケア 噛むことで歯垢除去、嗜好性◎ 約1,200〜2,000円(サイズにより変動) 毎日のケアが難しい日にも補助的に使える

よくある質問(Q&A)

Q. 歯磨きは毎日必要ですか?

A. 理想は毎日ですが、最低でも週2〜3回は行うようにしましょう。間隔が空くほど歯垢がたまりやすくなります。

Q. 歯石ができてしまったらどうすればいい?

A. 歯石は家庭でのケアでは完全には取れません。動物病院でのスケーリングが必要になります。

Q. 子犬のうちから始めたほうがいい?

A. はい!できるだけ早い段階(生後3〜4ヶ月頃)から触れ合いに慣れさせておくと成犬になってからもスムーズです。

Q. 無理に磨くとストレスになりませんか?

A. 無理に続けると逆効果です。少しずつ段階を追って、成功体験を積み重ねることが大切です。


まとめ

犬の歯磨きは、決して“オプション”ではなく、健康寿命を守るために欠かせない習慣です。

最初は嫌がられて当然。でも、少しずつ慣らし、無理せず短時間で終わらせるコツをつかめば、毎日のケアもぐっと楽になります。

「うちの子には無理かも…」と思っていた飼い主さんこそ、今日から1分でもいいのでスタートしてみてください。

愛犬の健やかな笑顔と、にっこり歯を見せてくれる日がきっと来ますよ😊


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